ホテルや旅館にとって、平日稼働率の改善は永遠の課題です。週末や連休は自然と埋まりますが、平日には空室が目立ち、値下げキャンペーンに頼ると「価格競争」に陥りがちです。こうした中、シニア層に次ぐ有望ターゲットとして注目すると良いのが「未就学児を持つ母親（ママ層）」です。
この記事では、ママ層の効果的な集客方法やコツについて紹介します。
平日稼働率改善の有望ターゲットは「未就学児ママ」
ママ層の中でも未就学児のママは、子どもが小学校に上がる前の家庭であり、行動が比較的自由です。幼稚園や保育園のスケジュールに合わせながらも、休日の混雑を避けたい、平日の方が料金が安いといった理由で、平日宿泊に魅力を感じやすい特性を持っています。
実際、都市近郊のホテルや温泉旅館でも「平日ママ友会」「親子向け宿泊プラン」が稼働率改善に直結した事例は多く、「ホテル 平日集客」「旅館 平日稼働率 改善」の文脈で重要な顧客層といえます。
これは、主に東京や横浜、大阪などの大都市にアクセスの良い宿泊施設に有効な平日集客策となります。
ママ層がホテル選びで重視するポイント
未就学児ママは次の三つの軸で宿泊施設を評価します。
1. 子どもが退屈せずに楽しめるか
プレイルームや親子体験イベントがあると「安心して泊まれる」と感じやすくなります。単なる宿泊空間ではなく、遊びや学びの場を備えた施設は差別化につながります。
2. 母親自身がリフレッシュできるか
子ども中心のサービスだけではなく、母親向けのリラクゼーションや体験をセットにすることが重要です。アロマ体験やスマホフォトレッスン、ママ向けアフタヌーンティーなどは宿泊動機を一気に高めます。
3. 移動や予約のしやすさも重要
「最寄駅からの平日限定送迎バス」や「LINEで気軽に相談できる予約窓口」といった工夫は、小さな差に見えて実際には予約決定率を押し上げます。
ママ層に届く！親子向けイベント付きプラン40選
未就学児ママを平日に呼び込むためには、子どもと母親の双方が満足できる「体験価値」を宿泊プランに組み込むことが不可欠です。ここでは、すぐに導入可能なイベント40選を4ジャンルに分けて整理します。周辺の競合ホテルや旅館を調査して、コンテンツ数を決定の上、行動に移すことで徐々にママ友の間でクチコミが増えていきます。
1. 子ども向け体験・遊びプログラム
● キッズプレイルーム開放（ボールプールや知育玩具）
● 親子工作ワークショップ（折り紙や紙芝居）
● 動物ふれあい体験（牧場や動物園と提携）
● キッズプール専用タイム
● お絵かき大会や読み聞かせナイト
● 子どもが退屈しない仕掛けは、親にとって最大の安心要素となります。
2. 母親向けリフレッシュ企画
● スマホフォトレッスン
● アロマ＆ハーブ体験
● ヨガ・ピラティス（子ども同伴可）
● ママ専用アフタヌーンティー
● リフレクソロジーやハンドマッサージ体験
「子どもが楽しんでいる間に自分も癒される」時間を提供することが、平日宿泊の動機を高めます。
3. 親子で楽しめる食・自然体験
● 親子パン作り教室
● 季節の収穫体験ツアー
● 星空観察会や自然散策
● 親子キャンプごっこや流しそうめん
● 魚釣り体験やBBQ企画
親子一緒の体験は「思い出づくり」として魅力的で、SNS投稿にもつながります。
4. シーズナル・記念日イベント
● 夏祭り（ヨーヨー釣り・かき氷）
● ハロウィン仮装大会
● クリスマス親子パーティー
● 七五三宿泊プラン
● 年末年始のお餅つきイベント
季節性を取り入れると、リピーター獲得に直結します。
ママ層に効果的に届ける告知の仕方
イベントやプランを用意するだけでは効果は限定的です。大切なのは「情報をどう届けるか」です。
1. Instagramやママ向け情報サイト
Google検索では、ママ層に響く検索ワードは「親子旅行 プラン」「子連れ歓迎 ホテル」「未就学児 母親 集客」「ママ友 宿泊プラン」など。これらのキーワードで記事を作成し、公式サイトのブログや特設ページに内部リンクを設けることで、「検索→記事→予約」のスムーズな流れを作り出すこともできます。
「宿泊系キーワード＋赤ちゃん」といった検索需要も案外大きいため、赤ちゃん向けのアメニティやウエルカムベビーの宿の認定などで、ニッチトップを取ることで近隣商圏からの予約獲得を目指しましょう。
また、Instagramにおいて、「#子連れ旅行」「#親子プラン」など検索需要が高いタグでの投稿は必須です。宿泊者のUGCをリポストすれば、信頼性と拡散力が増します。また、母親インフルエンサーとタイアップすると、 「実際に泊まってみた」という体験投稿は共感を呼んで自然な拡散を生みます。費用対効果も高く、平日集客の即効性があるので上手に活用しましょう。
＼自社に合ったインフルエンサーを探すなら／
2. 地域コミュニティとの連携
未就学児のママ層は、幼稚園に通うまでは子育て支援センターやデパートのキッズスペースに頻繁に通う方も少なくありません。そして、彼女たちは常に子供と一緒に楽しめるコンテンツの情報を探しています。
そのため、子育て支援センターやデパートのキッズスペース、習い事教室などに自社のチラシを置くのも有効です。また、他者とのつながりを求めてLINEのオープンチャットに「妊活・子育て」ジャンルに登録しているママも多いので、そこで情報を流すのも効果的でしょう。
まとめ
ママ層への効果的な取り組みについてまとめると、次の5つが挙げられます。
● 都市近郊の宿には、特に有効
● 送迎サービスがヒットすることがある（運転が苦手、マイカーを所有していない等の理由）
● 子ども向け体験＋母親向けリフレッシュをセット化
● 季節イベントや記念日企画で差別化
● SNSと地域ネットワークで告知を徹底
これらを組み合わせれば、単なる「割引プラン」ではなく、「ここなら安心して子どもと泊まれる宿」というブランドを確立できます。さらにママ友ネットワークで認知が広がれば、1組だけでなく複数室利用につながり、平日の稼働率を大きく押し上げられる可能性が広がります。
以下の記事には、未就学児のママ層のほかにも集客が期待できる層やマーケティング術について紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
Comment