競争環境が激しくなっているグランピング施設においては「平日の稼働率をどう高めるか」は永遠の課題です。週末や連休は自然と客室が埋まる一方で、平日は空室が目立ち、収益安定の大きな壁となってきました。
その突破口のひとつが「愛犬対応」、つまりドッグフレンドリー型のグランピングです。
この記事では、ドッググランピングで売上を170%に上昇させた事例をふまえ、愛犬向け施設の集客や開発などに関心がある方に役立つ内容を紹介します。
【成功事例あり】愛犬家の旅行需要とグランピングの相性
「グランピング+地名」で検索する際に「犬」「ペット」といったキーワードが頻出するのはご存知でしょうか。実は検索数も多く、ペットツーリズムに特化したモデルには成功事例が豊富です。
その背景には以下のような理由があります。
● 自然の中で過ごす体験がペットツーリズムと親和性が高い
● 多くのホテルや旅館はレストランでのペット同伴を禁止しているが、グランピングでは愛犬と一緒にBBQができる
● 独立型客室が中心のため、鳴き声などで周囲に迷惑をかけにくい
こうした要素が、愛犬家からの強い支持につながっているのです。
1. 希少性の高さが最大の武器!都市近郊でこそ効果UP
関東・甲信越エリアの楽天トラベルを調査したところ、愛犬対応の宿泊施設は全体の8%にとどまります。さらにプライベートドッグランを備えるホテルや旅館、コテージはわずか0.3%しかありませんでした。
希少性の高さがいかに強い武器になるかを物語っており、特に都市近郊の施設では業績改善効果が顕著です。
マンション暮らしの愛犬家は「広々とした自然の中で犬を思い切り遊ばせたい」という強いニーズを持っています。しかし都市部のホテルでは、土地取得コストの観点から広大なドッグランを備えることはほぼ不可能です。
そのため、地方のグランピング施設にとっては「愛犬対応」こそが最適解となるのです。
【成功事例1】客室を減らして売上170%へ|グランピングヴィレッジHAJIME



弊社グループでも、愛犬対応へ業態転換した結果、大きな成果を得たグランピング施設の事例があります。
グランピングヴィレッジHAJIMEでは、15室の客室棟を9室減らし、代わりに広いプライベートドッグラン付き客室を整備しました。その結果、客室数が減ったにも関わらず売上は前年比170%に到達。清掃やリネン費は部屋数に比例して減少したため、利益率も大幅に改善しました。
既にお子様が成人された50代~60代の愛犬家も多く、そのような方は平日にご利用いただけるケースも多いため稼働率の改善が実現しました。
● プライベートドッグランという希少性(視覚的に分かりやすい)
● 「犬と泊まれる」を超えた体験価値の提供
● 差別化要素がはっきりしたことによる集客力の強化
こういったポイントを押さえた結果、売上170%到達が実現したといえます。
【成功事例2】広大なプライベートドッグランで大きく差別化|ドッググランピング淡路厚浜



淡路島にあるドッググランピング淡路厚浜では、2000㎡のプライベートドッグランを備え、年間稼働率93%を維持。3年間の運営実績では、年商は2200万〜2500万円、GOP比率は50%強と高収益なモデルを築いています。
3000㎡の敷地に1棟という贅沢な設計でありながら、堅調に売上を伸ばし続けているのは、まさに差別化戦略が功を奏した好例といえます。
愛犬対応はブルーオーシャン ― ドッググランピングの市場性と支援のご案内
「愛犬対応」によって売上170%を達成した事例や、淡路島の成功モデルをご紹介しました。ここからは、この市場が持つ可能性と、開発やM&Aを検討される事業者様への支援体制について解説いたします。
1. 愛犬市場はブルーオーシャンである理由
日本における「愛犬家世帯の割合はおよそ12%」といわれています。ところが宿泊業界においては、十分に対応できている施設はまだ少なく、大きな需給ギャップが存在します。
実際、地方の宿泊施設から「愛犬対応にリニューアルしたい」というご相談は近年増加傾向にあります。特に、保養所や従来型のホテルからの転換ニーズが目立ちます。
この背景には以下の要因があります。
● 一般的な宿泊施設ではペット禁止エリアが多い
● 愛犬家は「旅行先が限定されてしまう」という課題を抱えている
● グランピングは独立客室のため鳴き声や匂いのリスクが小さい
こうした条件が重なり、ドッグフレンドリーなグランピングは競争の少ない有望市場といえます。
2. 都市・地方それぞれのペットツーリズムの可能性
首都圏近郊はもちろん、仙台市・名古屋市・福岡市といった政令指定都市近郊にも、今後の展開余地があります。都市部の愛犬家は「車で1〜2時間で行ける場所」での滞在ニーズが高いため、地方型のグランピング施設にとっては立地的な優位性を持ちやすいのです。
都市部では土地コストが高く、大規模なドッグランを備えることは難しいため、むしろ地方施設こそがペットツーリズムの中心地になれるのです。
3. ドッグフレンドリー戦略の差別化はサービスと設計力が肝
グランピングにおけるドッグフレンドリー戦略を成功させるためには、単に「犬同伴OK」とするだけでは不十分です。
主に、以下のような具体的な差別化要素が重要となります。
● 愛犬向け食事の提供(地元食材を使用したドッグメニューなど)
● アメニティの充実(ベッド、食器、足洗い場など)
● 安全設計(滑りにくい床材、飛び出し防止の柵)
● 清掃体制(ペット特有の毛や匂いへの対応)
これらは専門性が求められる部分でもありますが、導入できれば「ここにしかない体験」として高い集客力を発揮します。
4. 弊社の支援体制について
弊社グループでは、愛犬対応へのリニューアルや新規開発をご検討される事業者様に対して、無償でのグランピング開業支援コンサルティングを行っています。
● 設計や内装の具体的なアドバイス
● 清掃・運営体制の構築支援
● ドッグランや客室仕様の企画
●グランピング集客・マーケティングに関するノウハウ提供
また、セミナーや説明会も定期的に開催し、建設費・土地取得額・売上・経費構造といった実数値データを公開しています。さらに、新規展開に有望な土地情報もご紹介可能です。
まとめ ― ドッグフレンドリー戦略は勝率の高い打ち手
愛犬対応は単なる一時的なトレンドではなく、平日集客を安定化させる持続的な戦略です。
● プライベートドッグランによる差別化
● 愛犬家の強いニーズを満たすサービス設計
● 都市近郊からの高い集客ポテンシャル
● 高収益事例に裏打ちされたビジネスモデル
これらを踏まえると、ドッグフレンドリー型グランピングは「勝率の高い業態転換策」といえます。
開発やM&Aをご検討の際には、ぜひ一度弊社の説明会へお越しください。実際の成功事例や投資指標をもとに、皆様にとって有益な情報をご提供できると考えております。














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